「好きになれなきゃ殺す、人間ってそんなものか?」「憎けりゃ殺したくなる、人間ってそんなもんだろう?」(「ヴェニスの商人」小田島雄志訳)
首相に近い自民党若手議員の勉強会で、こんな発言があったそうである。「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい」。安全保障関連への理解が広がらない現状にいらだってのことらしい。「そんなもんだろう?」というわけだ
確かに小紙のような地方紙なら、たちまち窮地に陥ろう。ただし申し上げておく。だからと言って筆を曲げるような記者は、まっとうな新聞社にはいない。「つぶさないといけない」とされた沖縄の2紙、琉球新報・沖縄タイムスと、われらも共にある
作家百田尚樹さんの乱暴な発言には今更驚かない。解せないのは国会審議が続くこの時期に、舌禍の多い百田さんを、あえて講師に選ぶ自民若手の感覚だ
少々あってもどうにでもなると踏んでいたのだろう。立ち位置は逆だが「違憲」参考人が問題になったばかり。安全保障は先を見通す力こそ大事なのに、後方支援部隊が前線に自爆攻撃をかけるようでは
人生は「むせび泣き」と「すすり泣き」と「ほほ笑み」から成り立つと書いた作家がいる。好きになれなきゃ、沖縄のむせび泣きすら聞こえない。品位にも欠ける。政治家ってそんなものか?