同性婚は現在、もちろん法的には認められていない。だが、意外なことに日本国憲法は禁じていない、という説がある

 関係する憲法24条には「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」とある。ここでいう「両性」は無論、男と女のこと。だとしたら、やはり男と女であることが婚姻の条件では?

 だとしても…。戦前は戸主の同意がなければ、結婚も相続もできなかったのである。そもそも、この条項が設けられたのは、結婚は本人同士の意向を最も大事にしなければいけない、といった趣旨から。同性婚を禁じるためではない

 「男性と男性」「女性と女性」も両性に含まれると解釈すればいい。ならば合憲とのアイデアもあるそうだ。国会で審議中の安全保障関連法案に比べれば、とっぴな主張とは言い難いかも

 少なくとも、憲法は同性婚を想定していなかった。諸説あるものの、これだけは間違いなさそうである。そしていつまでも放置できないことも。米連邦最高裁が、法の下の平等を保障する合衆国憲法を根拠に同性カップルの結婚の権利を認め、禁止した一部州法を違憲とした

 議論の波は程なく上陸するだろう。既に日本でも性的少数者の権利保障を求める動きが始まっている。結婚とは家族とはなんぞや、と根本から考え直さなければ。どうやら、そんな時代のようである。