19世紀、サッカーとラグビーに分化するまでの、イングランドにおける蹴球の記録をまとめた古典「フットボールの社会史」(岩波新書)によると、その歴史は中世にさかのぼる
街頭をも舞台にして、ボールをめぐって大人数で大騒動、大乱闘。けがは当然、死者も珍しくない荒っぽさだった。治安対策上よろしくないと、為政者が繰り返し禁令を発するも、人気は衰えなかった
前身は相当乱暴な競技だが、ある地区の魚売り女たちが、既婚者と未婚者に分かれ、対抗試合を楽しんでいたとの記述も18世紀にある。サッカーの女子ワールドカップ準決勝で、日本と対戦したイングランドの遠い先輩だ
<その風習も男性的である>と、たくましさばかりが際立つが、時にはこんな涙も流しただろうか。後半ロスタイム、川澄奈穂美選手のクロスをクリアし損ねたボールは、バーに当たり自陣ゴールではねた。決勝点となるオウンゴール。終了の笛が鳴ると、イングランドのバセット選手は泣き崩れた
なでしこの連覇が見えた、と素直に喜びたいが、こんな劇的な試合なら気持ちの半分は敗者に傾く。にわかファンは願う。日本時間5日の3位決定戦は、勝って泣けバセット選手
こちらもさあ、6日に最後の大一番。相手は前回と同じ米国だ。ここまできたならどうせなら、勝って泣け日本。
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