「007」シリーズなどのスパイ映画では、世界の覇権を目指す結社が一方の主役だ。秘密のアジトとして島がよく使われる
最近、中国が南シナ海で岩礁を埋め立てて建設している滑走路は映画以上の規模で、不沈空母の様相だ。秘密どころか、周辺国との領有権争いがある海域で、白昼堂々、工事を進めるのだから、あきれる
今度は東シナ海の日中中間線付近で、ガス田開発用とみられる施設の拡張に乗り出した。レーダー配備やヘリの拠点づくりが懸念される
中国の台頭は唐突に見えるが、1978年発行の東欧ジョーク集(実業之日本社)に、こんな話があった。問「東西両ドイツが統合されるのは、いったいいつになるのでしょうか」、答「その時期をお教えすることはできますが、どのみちそのときには、地球上には中国人しかいないと思います」
東欧の民衆は、世界一の人口を持つ中国の台頭を見越していたようだ。先見の明とウイットには感心する。笑い話の通りなら、スリラーになったが
そんな中国や北朝鮮を念頭に置いた日本の安全保障法制が行き過ぎて将来、こんなスリラーとして語られるようでは困る。「一人の男が吹く笛に、国民みんながついていった。その後、日本人がどうなったかは、誰も語りたがらない」。これでは、ハーメルンの笛吹き男も顔負けだ。
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