60年近く前、初めて阿波踊りを見た日本文学研究者のドナルド・キーンさんは「ニューオーリンズの謝肉祭がちょっと似た感じですが、こんなにとび抜けて陽気な踊りではありません。これにはまいった」と語っている。阿波踊りには外国人にアピールする魅力があるようだ
 
 JTBの祭りに関する調査結果にわが意を得たりの感がある。祭りを見に行きたい国内の旅先で、阿波踊りの徳島県が5位に入った。1位は「青森ねぶた祭」が有名な青森県。2位は「祇園祭」が人気の京都府、3位は「さっぽろ雪まつり」の北海道、4位は「博多どんたく港まつり」の福岡県だ
 
 京都の「葵祭」など4道府県は複数の祭りが思い浮かぶのに対し、徳島は阿波踊り一本。でも、「住んでいる越谷市でも阿波踊り祭りをやっているので、本場のものをみてみたい」(30代・女性)との理由が、各地に広がる魅力の一端を物語る
 
 訪日旅行者に、見て参加してほしい祭りは「ねぶた祭」「祇園祭」が1位を分け合い、阿波踊りは3位。<踊る阿(あ)呆(ほう)に見る阿呆。同じ阿呆なら…>。言葉は分からなくても、<踊らなそんそん>と2拍子のリズムに浮かれる外国人は多い
 
 情熱的な阿波踊りを、もっと世界に発信したい。「AWA ODORI」が各地で「OUR DANCE」として定着する。そんな夢を見る。