忘れられない光景がある。2013年7月5日の朝、人だかりができたJR徳島駅前。車で駆け付けた安倍晋三首相が街宣車に上ると大きな拍手が湧き、若い女性やサラリーマンらが一斉に腕を上げてスマホのカメラを向けた
景気が上向き「ボーナスが増えたから『阿波踊りでも見に行こう』と、徳島にやってくれば観光客が増えていく」。皆さんの懐具合もよくなります-。参院選の遊説で来県した首相の演説は、大半がアベノミクス。安全保障など、きな臭い話題には触れなかった
あれから2年。あの朝、カメラを向けた人たちは今、どんな思いで首相を見ているのだろう。衆院の委員会に続いてきのう、首相肝いりの安保関連法案が本会議で強行採決された
国会周辺には大勢の人が抗議に詰め掛けている。若者の姿も目立つ。「今、声を上げなければ一生後悔する」との思いにかき立てられて。徳島駅前でも街宣活動が続いている
先日、本紙社会面の連載「あのとき」で、海軍少年兵だった郷土史家・湯浅良幸さんが問い掛けていた。「もし戦争になって戦地に行くのは誰なのか」
威勢のいい言葉や甘言を弄する先生方では、決してない。2年前、内閣支持率は70%近くあった。最近は5割を切っている。「怒りはいっとき。時が過ぎれば国民は忘れる」となめてもらっては困る。
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