ご愛読いただいている相場英雄・作、渡邊ちょんと・画「御用船帰還せず」は2月8日で終了し、同10日から松井今朝子・作、いずみ朔庵・画による長編小説「料理通異聞」が始まります。江戸後期、和食を文化にまで築き上げた福田屋(ふくだや)善四郎(ぜんしろう)の波瀾(はらん)万丈な一代記です。ご期待ください。

<作家の言葉>

料理もまた一つの文化である。300年以上前にそれを主張し体現し得た実在の人物、福田屋善四郎。「江戸一なれば日本一」とたたえられた彼の店「八百善(やおぜん)」には将軍までが足を運んだ。彼の料理本には葛飾(かつしか)北斎(ほくさい)や酒井(さかい)抱一(ほういつ)ら時代を代表する画家が挿絵を提供している。和食を日本文化の精華に高めたその生涯を通じて、数々の天災を克服しつつ爛熟(らんじゅく)した江戸社会の気分を味わっていただきたいと思う。

<画家の言葉>

江戸文化の中でも特に興味のある「料理」がテーマであり、現在でもその名と味を残す「八百善」がお話の舞台とうかがって、一読者としてもとても楽しみにしております。物語の隠し味となるような挿絵を描いていければと思います。

[作家の略歴]まつい・けさこ 1953年京都市生まれ。割烹「川上」の長女として祇園に育つ。早稲田大大学院文学研究科演劇学修士課程修了後、松竹に入社。歌舞伎の企画・制作に携わる。退社後もフリーとして歌舞伎の脚色・演出・評論に携わった後、作家デビュー。97年「仲蔵狂乱」で時代小説大賞受賞。2007年「吉原手引草」で直木賞受賞。

[画家の略歴]いずみ・さくあん 1973年愛知県生まれ。グラフィックデザイナーを経てイラストレーターに。宮部みゆき著「お文の影」の装画を手掛け、雑誌では山本一力、澤田ふじ子、伊東潤らによる連載小説の挿絵を担当。着物、和柄をはじめ、特に江戸文化への造詣が深く、時代小説の挿絵のほか和雑貨のデザインも手掛ける。

徳島新聞社