あすは処暑だといいながら、まだまだ油断のならない暑さである。湯気立ち上るたらいうどんは、さてどうかと迷ったが、それがそれが
阿波市は土成町、冷房の効いた座敷で宮川内谷川のせせらぎを聞きながら、飯盆(はんぼ)に泳ぐうどんを箸でひとつまみ。岸で涼む母子を眺めていたら、すっかり忘れていたいつかの夏を思い出した
大勢集まれば、家庭でも手打ちうどん。水利が悪く米作りに適さなかった、かつてのこの地域の習慣だった。山仕事の人たちも、小麦粉としょうゆを持って山に入り、河原でうどんを打って食べた、と市のパンフにある
1931(昭和6)年、当地を訪れた当時の県知事が、たらいのような器に入ったうどんがうまかった、と語ったのが始まりで「御所のたらいうどん」となったとか
やや離れるが、同市市場町大俣に古くから伝わる「村祈祷」(きとう)という風習がある。7月の半夏生のころ、僧侶を招いて経を読み、無病息災を祈る。ごちそうは、集まった住民手ずからのうどんだ。別名「うどん講」。うどん文化圏は御所周辺にとどまらず、もう少し広いのだろう
秋祭りの魚ボウゼが鮮魚売り場に並ぶようになった。今年は豊漁が期待できるという。なると金時やナシは既に、サンマにスダチは、カキはクリは。おいしい徳島の秋、指折り数えて本格的な到来を待つ。
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