統一地方選の前半戦となる徳島県知事選、県議選が終わった。知事選は現職の飯泉嘉門氏が5選を果たし、県議選は新人10人、元職1人が議席を得た一方、自民現職3人、共産現職1人が涙をのんだ。

 県議会は、「県政与党」である自民系、旧民主系、公明で定数38のうち30人を占めた。選挙前と比べ、自民系が2人減ったが、「与党」が4分の3以上の勢力図は変わらない。

 飯泉知事は県政史上最長の5期目に入る。多選の弊害に目を光らせなければならない時に、オール与党化した県議会でチェック機能が働くのか、心もとない。

 昨年度の県議会定例会では、とくしま記念オーケストラ問題を巡り、脱税で有罪判決を受けた音楽プロダクション元代表の参考人招致を求める動議を共産党が出したが、否決した。共産議員が提出した質問趣意書の県への送付も認めなかった。

 記念オケ問題の幕引きを図りたい県側の意をくんだとしか思えない。「なれ合い」と言われても仕方あるまい。

 今回の選挙戦を振り返ると、そうした状況が続かないか危惧される。

 告示前には、自民党などの県議候補者の県政報告会に飯泉知事が駆け付け、互いを持ち上げる場面が度々あった。

 県議選の選挙公報では、「若者の声を県政に届ける」「温かい社会をつくる」「徳島の発展に全力を尽くす」といったキャッチフレーズが目についた。一方で、県政の監視をうたう候補者はわずかだった。

 徳島新聞社が選挙期間中に行った世論調査では、県議会が県政に対するチェック機能を「果たしていない」との回答が46・0%に上った。

 二元代表制の下では、知事と対等の立場で行政を監視するのが議会の役割だ。それを自覚しなければならない。

 さらに気掛かりなのは、無投票の選挙区が増えていることだ。

 1959~91年の9回の選挙で、無投票は79年の5選挙区が最多だった。95年以降は7回の選挙のうち6回、5選挙区以上が無投票となっており、前回は14選挙区中7選挙区、今回は13選挙区中6選挙区に上った。

 今回出馬した自民党の新人6人のうち3人は2世だった。一般の人が政治に挑戦しやすくするのも課題である。多様な人材がいなければ、議会は活気づかない。

 かつては、自民党内で三木(武夫)派や後藤田(正晴)派、秋田(大助)派に分かれてしのぎを削り、時には権力闘争に発展した。77年と81年に武市恭信知事と元県議の三木申三氏が戦った知事選は、三木派と後藤田派の争いでもあった。

 今は派閥がほぼ姿を消し、激しい政争がない半面、丁々発止の議論は影を潜めている。自由闊達に意見を戦わせることで、県議会を活性化させてもらいたい。