<今や、日本は「やばい」国となった>。この文は、どんな意味だろうか。「日本はとても素晴らしい国となった」、それとも「危険な国となってしまった」か
 
 「やばい」の使い方で、本来の意味とは異なり、前者の肯定的な意味で用いる人が増えているそうだ。文化庁の国語に関する世論調査では、良い意味で使う人は、年代が上がるにつれて減るものの、10代で9割以上、20代では8割近くに上る
 
 「やばい」は、元は泥棒らが使った隠語である。それを市民が普通に使うようになってから、新しい意味を持ち始めた。最近では、良い意味を掲載する国語辞典も増えている。言葉は生き物といえよう
 
 時代を経て意味が変わった言葉に「恥ずかし」がある。現在は「みっともなく、きまりが悪い」だが、古くは「優れている」の意で用いられることが多かったという
 
 昨日、すったもんだの揚げ句に安全保障関連法が成立した。集団的自衛権の行使に道が開かれたことで、戦争に巻き込まれる可能性も出てきた。「戦後70年」の節目が「戦前の始まり」にならないか不安になる
 
 もちろん古い意味での「やばい」法案に対し、国民は大規模な反対運動を繰り広げた。だが、安倍晋三首相は聞く耳を持たずに突き進んだ。それはまさに「恥ずかしき」政治家の姿だと見る人の方が多いだろう。