英国で開催中のラグビーワールドカップで、日本が強豪国の南アフリカを破る大金星を挙げてからの、にわかファンである。テレビ中継を見ていて、予選リーグの勝ち点ポイントに関心を持った

 負けたチームにも「勝ち点」のチャンスがある仕組みだ。トライ数が四つ以上か、7点差以内の惜敗なら1点獲得できる。勝敗だけでなく、試合内容もポイントになる。「白黒つける」勝負に「グレー」を設けることで、チームの力をできるだけ正しく順位に反映させたいのだろう

 さて、グレーはないのが「多数決」だ。わずかの差でも勝ちは勝ち。集団の意思を決める手段として使われるが、少数意見の切り捨てを伴うのが難点だ

 白と黒の間には無数のグレーがある。だが、「イエス」か「ノー」の選択肢しかない「決める政治」を見ていると、もっと細やかにグレーの考え方をくみ取る仕組みはできないのかと思う

 消費税再増税の負担軽減策では、ポイント制が検討されている。来年1月に始まるマイナンバー制度を活用。購入額のポイントに応じて一定額が払い戻される仕組み

 消費者は個人番号カードを持ち歩かなければならず、手間が掛かる制度だ。導入か否か、強引に白黒をつけると、国民の意思を反映しない結果を招く。もちろん、軽減税率が先送りされる灰色決着も願い下げだ。