廃校の体育館を再利用したというだけに、かなりの辺地にある。脇に残る石に刻まれた標語がいい。「一列で正しく歩こう登下校 目でかんじ心で思う安全運転 スクールバス運転手田辺のおじさんより」
フィギュア制作会社の海洋堂(大阪府門真市)が手掛ける「ホビー館四万十」。父親の古里・高知県四万十町を盛り上げようと、同社創業者の宮脇修館長が発案したそうだ。2011年の開館以来、来場者は既に29万人を超す。ファンは海外からもというから、狙いはずばり
アニメキャラクターや動物、戦車、文化財といったフィギュアが所狭しと並んでいる。技術の確かさは、国立科学博物館や大英博物館の収蔵品を再現したことでも容易に理解できよう
指先でつまめるほどの戦車をしげしげと見る。このサイズに収めるには、省略した部分も多いはずなのに、醸し出す本物らしさはなぜ。色か形か、それとも
「原型師と呼ばれる作家の熱意やセンスというほかはない」。そう語る事務局長の宗崎(そうざき)信一さん自身、アニメやフィギュアの吸引力の大きさに驚く地元の一人である。子どもは廃校になる前の小学校の卒業生
「フィギュア展-ヒトガタ、人形、海洋堂」が、徳島市の県立近代美術館で始まる。古来、小さな造形が人を引きつけてやまない秘密を探ってみるのもいいのでは。
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