こんな言葉を紹介すると、さてはマルクスかと早とちりする人が増えてきたから、先に出典を明示しておく。太宰治の「斜陽」。あまりに有名で、魅惑的な一文である。<人間は恋と革命のために生れて来たのだ>
戦争が終わり、没落貴族には落ちぶれた生活が待っていた。その娘かず子は、<ほんものの貴婦人の最後のひとり>だった「お母さま」の死を機に新しい人生へと踏み出す。その後の「革命」は読んでのお楽しみ
太宰の文学ははやり病のようで、学生のころ周りに重症患者が何人もいた。まるで共感しなかったのに久々に引っ張り出してみると、かず子の声を想像しながら、思わず反すうしてしまった。<人間は恋と革命のために生れて来たのだ><戦闘、開始>
青森県五所川原市金木町、生家を利用した記念館は「斜陽館」という。老舗旅館のように地に根を張って、どっしりと立つ。広々とした津軽の田園風景と恵まれた暮らし。それがあの太宰を育てたのだから分からないもの
「読書週間」である。合わせる必要もないが、この際、読んでおくに越したことはない。人生の火にまきをくべるような1冊を選んで
いや応なく変革に迫られている時代。それなら周りに流されず、自分から変わりたい。さあ今日も、それぞれの持ち場で戦闘、開始。本も一助となるはずだ。
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