縄文時代、地球はかなり温暖で、海は陸地の奥深く入り込んでいた。いわゆる「縄文海進」だ。貝塚が海岸線より内陸部に残るゆえんである
人類の歴史をたどると、未来が心配になる。地球の気温が高い時期には海面が上昇して陸地が沈む。逆に寒冷化すると海が後退して陸続きになり、人々が移動した
現在は、温室効果ガスによる地球温暖化が人類共通の課題。国連の報告書などの指摘では、南極の氷は解けて減っている。すっかり、そう信じていた。だから海面が上昇し、太平洋の島国が沈みつつあるのだと
ところが、人工衛星による観測では、1992年から2008年まで南極の氷は増えていた-。米航空宇宙局の発表に耳を疑った。南極では1万年ほど前から降雪が増加傾向で、解けずに蓄積したのが原因だそうな。では、過去の指摘は間違っていたのか? 素朴な疑問を氷解させてほしいのだが…
悪玉扱いされる温暖化にも利点はある。北極海の氷は減少し、「北極海航路」の商業利用が現実味を帯びる。北極海を航行すれば、日本-欧州間は、スエズ運河経由より約4割短い
大した効果だが、やはり温暖化防止が先決だ。「都市が海面下にあるのは人類のおごりの象徴です」。そう子どもに教えながら、いつ訪れるか分からない寒冷化を待つ。それでは縄文人に笑われる。
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