泳いでいるのかいないのか、円盤のような体形で外洋を漂うマンボウには、憧れを感じる。小事にはわれ関せず。魚の大人(たいじん)か
そのマンボウに赤信号。国際自然保護連合から絶滅危惧種に加えられた。はえ縄漁やトロール漁で混獲され、数が減っているそうな
10年前、徳島市の助任川でマンボウが見つかり、話題になった。ある時、高知県の知人に「徳島の川をマンボウが泳いどってなあ」と自慢すると、「高知の川はマグロが泳ぎゆう」と切り返され、感心した。太平洋クロマグロも乱獲などの影響で今や絶滅危惧種だ
近いようで遠いのが徳島県と高知県。明治初期、徳島県は高知県に吸収合併されたが、うまくいかず、独立した歴史もある
21世紀の今、突然の合区で、来夏の参院選は「徳島・高知」選挙区で行われる。候補者の出身地にこだわる徳島対高知の図式ではなく、政策、人物本位で両県の未来を託したい。知人と県境を越えた政治談義をするのもよし、文化やスポーツ交流を重ねるのもよし
ところで、徳島の川とマンボウの組み合わせには違和感があるが、高知の川にマグロは似合う。この微妙な差異が東京の政党幹部には理解できないらしい。歴史や風土の違いを重視せずに地方分権ができようか。二つの選挙区をまとめて絶滅危惧種扱いせず、必ずや復活させてほしい。
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