三好市

西井川保育所

人と人とのつながりから生まれる子育て支援

交流と保育所体験の場

毎月第2・3火曜日に、保育所を開放をして子育て支援に取り組んでいる西井川保育所。在宅で子育てをしている親子を対象に、季節行事や遊びを通して親子と触れ合い、子育ての悩みや相談に耳を傾けています。
この日は「お正月遊びをしよう!」に数組の親子が集まって紙のお皿でコマを作ったり、ぬりえをして楽しいひとときを過ごしました。
また、ここは保育所の幼児たちがどのように過ごし、集団生活をしているかを親子で見ることができるのも特徴のひとつです。ガラス張りの教室の中で手遊びをしたり、保育士のオルガンに合わせて大きな声で歌を歌っている様子を自由に見て、その空気に自然と触れることができます。
「子どもが母親や家庭から離れて集団生活をすることができるだろうか?同年代の子どもと仲良くできるだろうか?など、保育所や幼稚園に通わせることの不安を相談するお母さんが少なくありません。保育所の子どもたちと交流することによりこの様な悩みも解消するかと思います」と所長補佐・五島利子さん。

地域の願いが込められ誕生した妖精「井川なでしこちゃん」

 実はこの日、ビッグなサプライズゲストが子どもたちの前に登場しました。地域の活性化と子どもたちの健全な成長を願って、地域の人たちのアイデアによって生まれた妖精「井川なでしこ」ちゃんです。
突然のなでしこちゃんの登場に驚きながらも歓声を上げ子どもたち、怖がりながら近づくわが子を見て急いで写真を撮るお母さんたち。なでしこちゃんを囲んで部屋はひと足早く春に近づいたような熱気に包まれました。
このなでしこちゃんにふんしているのは三好警察署井川駐在所の花岡良明さん。1月だというのに着ぐるみの中で汗だくになって子どもたちやお母さんのリクエストに応える姿が印象的です。「なでしこちゃんを通して地域の親子とつながりを持てることを願っています。子どもたちは地域の宝物。親子、地域、行政みんなで子どもたちを育てていきたいですね」今年の3月の赴任以来、一人でも多くの地域の人たちと顔見知りになりたいと活動をしてきた花岡さん。今では警察官の制服姿の時でも、子どもたちから「はなちゃん!」と声がかかるようになったと言います。

子どもが少ない地域だから必要な場所

「松山から嫁いできて5年。当初は友だちもいなくて孤独な子育てをしていましたが、子育て支援センターに通うようになってママ友ができ、地域の子育て支援情報を知ってからは、親子で楽しみに参加するようになりました。
都会とちがって近所に子どもたちが少ない山間部だからこそ、このような場所が求められていると思います」という岸上亜紀子さんは5歳と1歳の子どもを持つお母さん。
今では近くの幼稚園に通っている長男もここに通うのを楽しみにしていたと言います。
山に囲まれた自然豊かな三好市井川町。ここでは何よりも人と人とのつながりを大切にしながら、それぞれの人がそれぞれの立場で、地域の未来を担う子どもたちを育んでいます。

●西井川保育所
お問い合わせは TEL.0883-76-3180
三好市井川町西井川383番地

子育てしやすい街づくり
三好市子育て支援課

三好市では、子育てしやすい街づくりを掲げ、各種の子育て事業を展開しています。
その一つとして、子育て支援センターや保育所等を定期的に開放し、そこで親のつながりや子どものつながりが持ち、また、情報を交換したりできる場所としてご利用いただいています。
しかし、近年核家族化が進み地域との関係が希薄化し、子育て中の親の孤立感や不安感を抱く事態が増えています。
子育て支援センターや保育所では、場所の提供だけではなく、子育て中の親の生活や悩みなど、もう少し深く踏み込んだ関わりを持つことが必要であると考えています。
そこで、保育士と親子とのコミュニケーションを持ち、保健師による親子の健康相談や管理栄養士による栄養相談、児童相談員や支援員との連絡を取り合いながら、子育ての様々な悩みや喜びを共有し、また、他人の子どもに触れる事により、自分の子どもを見つめ直すことができる等、子育てのストレス解消に役立てて欲しいと考えています。
子育てを大いに楽しんでいただき、親子が共に成長し、活き活きと生活できる一助となるよう活動を継続していきたいと思います。

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