過去があっての現在である。多くの困難を乗り越えて、歩んだ先の今であるはずだ。それでも昔は…。立党60年を迎えた自民党、記念式典の壇上に並んだ顔ぶれに思う
あいさつに立った党総裁、安倍晋三首相は「来年夏の参院選で勝利を挙げ、次なる60年に向かって大きな一歩を踏み出そう」と述べた。還暦自民党、悲願の憲法改正もいよいよ射程に、といったところだろう
振り返れば、2度の下野はあったものの、ほぼ一貫して政権を維持し、戦後日本の政治・経済をけん引してこられたのは、その豊富な人材ゆえのことだ。三木武夫元首相しかり、後藤田正晴元副総理しかりである
育てたのは派閥だった。弊害も大きかったが、派閥同士の激烈な権力闘争の中で、政治家が鍛えられたのは間違いなかろう。「三角大福中」の頃を思い浮かべてみるといい
岸信介、池田勇人元首相らが率いた結党直後の「8個師団」と数は同じでも、派閥に今、往時の力はない。選挙制度の問題はあるにせよ、人の器という面でもどうか。こぞって首相になびくようでは、あまりにも寂しい
野党がしっかりしていれば緊張感も生まれようが、当面は難しそうだ。足腰の強い本物の政治家を育てる仕組みをどう作り直すか。党の次なる60年、あるいは国の行く末も、そこにかかっているのかもしれない。
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