<♪踊り疲れたディスコの帰り これで青春も 終わりかなとつぶやいて…>。女性の切ない心情が胸の奥に響く。シンガー・ソングライター、BOROさんの「大阪で生まれた女」である
1979年にリリースされ、今もカラオケでよく歌われる。でも、それは短く再構成されたもので、実は18番まで歌詞がある。あらすじはこうだ。若い男女が夢を求めて東京へ出る。知らない土地での暮らしという現実を前に、女は大阪へ帰り、男は夢をつかむ
続編「大阪で生まれた女19」が秋に発表された。<都構想で騒がしい上六(うえろく)あたりを…>が出だしで、女が娘の家族と歩きながら、しんみりと来し方を振り返る。孫なのだろう、小さなゲンコツで肩をたたいてもらうシーンもある。女と近い世代としては、流れた年月の重さが心に染みる
都構想で世間を騒がせた橋下徹大阪市長が退任した。政治に携わった8年間で、新たな政策という「花火」を次々と打ち上げ、政治への関心を高めた点は評価したい。うまく開かない花火もあったが
「東京一極集中の打破」を夢見て、3年前には国政政党を設立し代表に就いた。だが、都構想否決という現実を前に、政界引退を表明していた
続編の終盤、女は<オバちゃんになっても昔のままや>と気力を取り戻す。さて、「橋下劇場」の続編はあるか。