2015年。振り返ればあれもこれもと、書く時機を逸した話題が幾つもあるもので、きょうはその中から一つ
 
 団塊世代より上の人なら思い出してもらえるだろうか。「無責任」「日本一」の冠のついた故・植木等さんの映画シリーズを。やることなすこと型破りな主人公。やることなすことうまくいき、とんとん拍子で出世する。大抵こんな筋書きの喜劇だ
 
 徳島県議会の質問を聞いていて、植木さんの歌声が頭の中で鳴りやまなくなるときがある。今年も数日、大目に見てほしい。こんな歌である。「ゴマをすりましょ、皆でゴマをね」(ゴマスリ行進曲)
 
 少なくともここ数年、議会の質問で知事を称賛する議員が目立つ。当てこすりかと思ったら、毎度毎度のことなので、どうやらそうでもないらしい。先日も「ノーベル賞もの」と、最大級の賛辞?を贈った議員がいた
 
 何も、知事が評価に値しないと言いたいのではない。褒め言葉も度を越せば聞くに堪えぬ。知事を礼賛して恥じない議員に行政の監視などできるのかと県民に疑われるのが落ちだ。そう言いたいのである
 
 求められているのは丁々発止の真剣勝負。賢明なる知事にとっても、百の褒め言葉より、徳島を変える一つの提案の方がありがたかろう。ごますりを競い合うような出来の悪い喜劇は、今年で見納めにしたい。