男も育休? いいんじゃない、とは残念ながら、世間はいまだになっていない。育児休業取得率は民間企業で2%程度。「1億総活躍」をうたう政府の目標も「2020年までに13%に引き上げる」とやや控えめだ
「隗(かい)より始めよ」だとか。自民党の宮崎謙介衆院議員が、来年2月に予定される妻の金子恵美衆院議員の出産後、1カ月程度の育児休暇を取るそうだ。衆院に育休制度はなく、育児を理由に男性議員が一定期間の休みを取るのは初めてらしい
いいねイクメン。そう言うには引っ掛かるものがある。歳費丸取りはどうかとは思うけれど、だからけしからん、とまで言うつもりはない。議論の分かれるところだが、国会議員は駄目ということでもないだろう
ではなぜか。男性の育児参加、「始めるよ」と号令を掛けるのは結構。しかし中小零細に至るまで、企業がすんなり追従できるものか。まずは、そんな環境を改めるのが議員の仕事のはず。衆院規則の改定もこれからとはいただけない
率先垂範もいいけれど、先憂後楽なんて言葉があるのも忘れないでほしい。<天下の憂えに先だちて憂え、天下の楽しみに後(おく)れて楽しむ>「岳陽楼記」。政治家の心構えと広辞苑にある
花火を打ち上げた以上、子育てしやすい社会の実現に、本気で取り組んでもらえるのでしょう、きっと。
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