飼い猫と、1人と1匹で留守番をして過ごす元日、用あって買い物に出掛けた。店が開いていないとは想像もしなかった
近くの量販店をのぞけば案の定、やってるやってる。確かに便利な世の中だ。しかし、客の長い列をさばくレジ係の奮闘ぶりを見ていて、便利さも考えものだと思った
正月ぐらい、のんびりしようよ。早々に買い物に出ておいて言うのも何だけど。便利が当たり前になると不便の立つ瀬がない。不便が消えた社会はいずれ息が詰まる
毎年、2日が仕事始めの当方のぼやき半分、だが残りの半分は、もう少々この国、不便であってもいいんじゃないか、と本気で思う。例えば携帯電話を思い浮かべてみればいい。便利ではあるけれど、どれだけ仕事に追われるようになったか
世界3位の経済大国も、1人当たり名目国内総生産は最新の統計でまた順位を下げて20位。過去最低となった。米独はもとより、かつては重い病にあった英国や、バカンス1カ月のフランスにも後れを取る。経済は得手でなさそうなイタリアにも追い越されそうだ
あすから職場という人も多いだろう。どこかおかしいこの社会の処方箋を探す1年としたい。でも、きょうくらいは。<新しき年の始めにかくしこそ千歳(ちとせ)をかねて楽しきを積め>「古今和歌集」。いにしえに言う。楽しみなさい、と。
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