「一富士、二タカ、三ナスビ」とは縁起のいい初夢の順である。吉兆の象徴の三つを配した絵は、実にめでたい。近ごろ、政界ではタカが群れ飛んでいるそうな。いやめでたしとはいかぬ、残念ながら

 その心は、次の歌に見える。<平和民主の名の下に 占領憲法強制し>。勇ましいこの歌詞は、タカ派で改憲論者の中曽根康弘元首相が1956年に作詞した「憲法改正の歌」の一節だ

 連合国軍最高司令官マッカーサー元帥ら米国による押し付け憲法は、改正すべしとの主張である。自民党では、党是である改憲を目指すタカ派が勢力を伸ばしている

 本県出身でハト派の代表的政治家だった三木武夫元首相は、首相になる前、自分が自民党を飛び出せば、憲法改正の動きが強まると心配していた

 だが、時代は変わった。三木派の系譜を継ぐ高村派(現山東派)を率いた高村正彦副総裁は、安倍晋三首相を補佐して、憲法解釈の変更による集団的自衛権の一部容認を推し進めた。ハトはどこに飛び去ったのか?

 安倍首相は年頭会見で、今夏の参院選の争点に憲法改正を掲げる意向を示した。衆参ダブル選の可能性も依然として消えていない。国の未来を左右する決戦の時かもしれないのに、地べたをはいそうな低い政党支持率で飛び立てない野党を一体、どんな鳥に例えればいいのやら…。