列島は再び強い寒気に覆われるようである。あすを中心に、西日本では大荒れになると気象庁は注意を呼び掛けている

 先の大雪の際、首都圏の交通網は大混乱した。われら勤め人は大変だ。駅に続く長い列をテレビで見て同情を禁じ得なかった。東京に暮らしていれば列で震える一人となったのだろう。でも疑問もなくはない

 事業所に出向かなければできない仕事ばかりか。日本の慣行では「対面」が尊ばれるが、IT全盛の現代、メールなどで代替し得る業務も多かろう。働き方の見直しが叫ばれて久しい。雪の日のあの長い列は、それが進んでいないことの証左といえるかもしれない

 「対面」は消費者庁の徳島移転にも関わる。庁内には「法案作成など他省庁や国会議員との調整は対面でないと難しい」と慎重論が根強い。確かにその通りだろう。が、そんな仕事ばかりか

 安倍晋三首相は施政方針演説で江戸末期の幕臣小栗(おぐり)上野介(こうずけのすけ)の慨嘆を引き合いに出した。「終わらない議論、曖昧な結論、責任回避。幕府が滅びたのは『どうにかなるだろう』という言葉のためだ」。そして「挑戦」を掲げた

 「対面」が欠かせないとしても、まず地方ありき、東京に専用のサテライトオフィスを設けるくらいの大胆な発想の転換が必要ではないか。省庁移転でも「挑戦」に見合う結論を期待する。