万物の物差しとして人はまず自らの身体を使った。古代メソポタミアやエジプトのキュービットは中指の先から肘までの長さで約50センチ。ピラミッドはこの単位でできている。中国が起源の尺は指を広げた長さ、あるいは歩幅とも。周代で約22・5センチ

 物差しはいろいろあれど、民意を測る尺度の第一は、やはり選挙といえよう。米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市長選で、名護市辺野古移設が唯一とする安倍政権の支援を受けた現職が、移設反対の新人を破って再選した

 追い風を受け、政府は移設工事を進める構えだ。しかし自分に都合のよい物差しだけを使っていては、いずれ民意のしっぺ返しを受けよう。沖縄も辺野古反対一色ではない。結果はそう示しているが、移設が容認されたわけでもない

 民意を後ろ盾に反対を訴えて、政権と渡り合ってきた翁長(おなが)雄志(たけし)知事も態勢の立て直しを迫られそうである。辺野古反対派候補が普天間閉鎖・撤去の主体として選ばれなかった事実は重い

 忘れてはならないのは、沖縄だけの問題ではないということだ。どこかが基地負担を肩代わりしなければ、基地の島は永遠に基地の島のままである

 一つの石に、在日米軍専用施設の74%の重みがかかっている。そんなピラミッドは、やがて崩れてしまうだろう。負担の公平さを測る物差しが必要だ。