1人暮らしのお年寄りは大丈夫だろうか-。県西部などで発生している大規模な断水で、真っ先に心配したのは、給水所に向かうことが困難な人のことだ
道路には多くの雪が残り、ぬかるむ場所もある。体が不自由な人や、体調を崩している人もいるだろう。そんな中、必要とはいえ、重い水を自宅まで運ぶのは…
杞憂(きゆう)だった。自治体職員が家まで飲料水を届けているようだ。何より安心したのは、高齢者宅に水を運ぶ住民や、代わりに取りに来た人がいたこと。助け合う気持ちに、こちらの胸の中が温かくなった
断水は水道管の中の水が凍って膨張し、耐えられなくなってあちこちで破裂、漏水したためだ。記録的な寒さに見舞われたことが大きいが、管の老朽化が進んでいることも忘れてはなるまい
厚生労働省によると、全国に敷設されている水道管のうち、12%がすでに耐用年数を超えているという。徳島県内でも半世紀を超えて使われている水道管が少なからずあり、破裂はしばしば起こっている。各自治体は、管の更新や耐震化をできるだけ急いでもらいたい
南海トラフ巨大地震は近い将来、きっと牙をむく。水道だけではなく、電気やガス、通信、交通など全てのインフラが壊滅的な状況になる恐れがある。「助け合い」というライフライン、その時も頼りとなるはずだ。