明治の世になってさほどたたない1876年、開校したばかりの札幌農学校(現北海道大学)で議論が起きた。若い学生たちのこと、放っておけば何をしでかすか。では校則をどうしよう
 
 相談を受けたのが農学校の教頭で、後に「少年よ大志を抱け」の名言を残すクラーク博士。人間をつくるのに事細かな規則は必要ない。いわく「ビー ジェントルマン。紳士たれ、この一言で足りる」
 
 しかし一言では到底足りない人もいるようだ。自民党の宮崎謙介衆院議員である。イクメン、育児休業、まず隗(かい)より始めよで注目され、その舌の根の乾かぬうちに、週刊誌に不倫スキャンダルを提供した
 
 人間だもの心が迷う時もあろう。だが今回の場合は、いささかも同情の余地はない。報道が事実であれば、妻の金子恵美衆院議員の出産直前のことである。公人として、紳士として、それよりもはるか手前、人としてどうだろうか
 
 早々に釈明会見を開いて、イクメンの看板を下ろすがよろしい。議員たる者、育休を取りたくても取れない人の足を、これ以上引っ張ってもらっては困る
 
 「歯舞(はぼまい)群島」の読み方に窮した沖縄・北方担当相がいる。こちらも日頃の仕事ぶりが想像できよう。博士なら一喝するに違いない。国会議員の名に恥じない議員たれ。経済や外交、この難局。政権のたがを締め直せ。