思い出すのは殿川先生のことである。武男の名の通り豪放磊落な人だった。元教師。退職後は勝浦町の住民団体の代表として、長くまちおこしに携わった
その一つが、ビッグひな祭り。今年も人形文化交流館できらびやかに開幕した(4月3日まで)。高さ8メートルのひな壇を中心に、約3万体の人形が並ぶ。夏にはリオデジャネイロ五輪にも出張するのだとか
以前、どんないわれがあって始まったのか、聞いてみたことがある。先生、少し困ったような顔をして「かつて勝浦はミカンで栄え、それはそれは景気が良かったんです。ひな人形も豪勢でねえ」
由緒として絞り出してくれたのは、こんな話。ひな祭りの関連イベントならどうしても勝浦で、といった積極的な理由はないけれども、子どもたちを喜ばせようとやってみたら好評で、ということらしい。それが今や、ひな人形といえば、である
継続は力という。初めはよくても、続けるには知恵も手間暇もかかる。それに関わる大勢の人を束ねていくのだから、核になる人の人柄も問われよう
出掛けるなら、坂本地区などの「おひな街道」にも立ち寄った方がいい。ぶらりと歩けば、素朴なもてなしに心が温まるはずだ。町一円に広がる「ひな祭り」。地域を良くしたいとの先生の思いは、しっかりと受け継がれているようである。
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