子育ての楽しさ、大切さを体験して学べる授業

「赤ちゃん授業」上板中学校
実施日:平成24年9月15日・12月22日
今回は、徳島県から委託を受けてNPO法人・子育て支援ネットワークとくしま(Kネット)が上板町の上板中学校で開いた「赤ちゃん授業」の取り組みを紹介します。
再会した赤ちゃんの成長ぶりにびっくり!
「赤ちゃん授業」とは、徳島県が推進する「新しい公共の場作りのためのモデル事業」の一貫として、県内の3 つの小中高で昨年の9 月と12 月に実施されました。この授業は、少子化や核家族化によって赤ちゃんと接する機会の少ない小中高の生徒に、赤ちゃんと触れ合うことで命の大切さを学んでもらい、子育て中のお母さんを通して子育ての大切さを知ってもらうための事業です。
12 月22 日、上板中学校で行われた第2 回目の授業では、前回に引き続き、主催するK ネットを中心に、子育て中の親子、上板中学校の生徒と教員、地域で子育てのサポートをしているサークルやボランティア仲間など、多くの人が集まりました。受付を済ませ、自己紹介をした後は、K ネットや地元ボランティアの皆さんの指導を受けながら赤ちゃんを抱っこしたり、乳幼児と遊んだりしながら、思い思いに交流を深めました。今回参加したのは1~3 年まで18 名。大半が今回で2 度目の参加ということで、顔見知りになっていた子どもとおもちゃで遊んだり、お母さんに子育ての質問をしたりと、親子も生徒たちも再会を喜び合っていました。
特に生徒たちは3 か月ぶりに会った赤ちゃんの成長ぶりにびっくり。それと同時に子どもの成長に合わせて子育ての難しさ、喜びや発見があることを、直接お母さんから聞いてうなずいていました。中には泣いている赤ちゃんを寝かしつけたり、子ども目線になっておもちゃの車で遊ばせたり、赤ちゃんの似顔絵を描いてプレゼントする光景も。また、ふれあいタイムに続いては中学生による読み聞かせや手遊びなども行われました。
地域の子育てサポート力を知ってほしい
授業の間、安心して赤ちゃんを中学生に預けるお母さん、赤ち
ゃんとふれあう生徒たちを見守る地域ボランティアの皆さん、それ
ぞれの立場で「赤ちゃん授業」に参加し、赤ちゃんを囲んで地域
の人たちの心が一つになった時間でした。
「子育てって大変だけど楽しい。赤ちゃんやお母さんとふれあう
ことで子育ての両面を知ってほしい。またそれをサポートしてくれる
地元ボランティアがいることで、将来、地域で子育てすることへの
不安をなくしてもらえたら嬉しいです」とKネットの松﨑美穂子代
表。参加した親子と生徒たちはまた地域のどこかで再会すること
を誓って、会場を後にしました。
上板中学校3 年 岡本真弥さん
9 月に赤ちゃんだった子が歩いているのを見て、私たち中学生の成長も早いけど、赤ちゃんの成長はもっと早いと思いました。それから赤ちゃんを抱っこして感じたのは、泣き出すと急に重たくなること。将来、保育士になりたいので赤ちゃん授業はいい経験になりました。
松久保誠一さん、梨香さん、楓華(ふうか)ちゃん
人見知りだった娘が、今日はお兄さんお姉さんと楽しそうに遊んでいるのを見て、その成長ぶりに驚きました。共働きなので地域の人たちと接することができるのは貴重な時間。これからも機会があったら参加して、客観的に子どもの成長を見ていきたいですね。
上板中学校保健主事植原智子さん
赤ちゃんとふれあう時の基本的なマナーや注意事項はもちろんですが、言葉が話せない赤ちゃんとコミュニケーションを取るにはどうしたらいいか。普段の授業や教科書では学ぶことができない何かを感じてもらえたら嬉しいです。中学生は複雑な時期で親のありがたさを忘れがちな年齢。お母さんの苦労を目の当たりにして、命の大切さ、親への感謝の気持ちにつないでもらいたいです。