ちゃぶ台を返すようだが、議員定数の削減は必要か。いっそ増やせば「1票の格差」の是正もすんなり進むのではないか

 前から不思議に思うのである。定数削減は「身を切る改革」の一つだという。政治家は有権者の代弁者。とすれば、削減は有権者にも痛みを負わせることになる。とりわけ、対象となる地方の発言力が弱まりかねない。何をもっての改革か

 仮に定数を増やしたとして、税金で賄われる議員歳費や政党交付金を、その分大胆に削ればいい。それはそれで身を切ったことになると思うが

 衆院選挙制度改革を検討する有識者調査会の資料によると、G7各国下院のほとんどが日本の475人より多い。人口が半分のイギリスで650人、イタリアは630人、フランスが577人。日本より少ないのは435人の米国ぐらい。削減に論理的な根拠は乏しい

 それなら欧州並みに増やせばどうだ、そう主張できるか、となると途端に声は小さくなるのである。正直に言えば衆院のみならず、地方議会を含めて過剰感はある。昨今の不祥事もしかり。こんな人が議員か、と落胆させられることもしばしばだ

 当面、最も常識的なのは有識者調査会がまとめた案だとしても、この先、地方の声がかき消されないよう注意したい。東京との格差是正こそ、われら地方人の優先課題である。