年間2万人以上の救急患者を受け入れる基幹病院のトップに就いた。病院の理念である「断らない医療」を肝に銘じ、「できる限り多くの患者を救いたい」と抱負を語る。

 城南高校生の頃、脳腫瘍との闘いをつづった10代男性の回想記を読み、医師を志した。徳島大医学部に進学。恩師に教わった「医師は患者と共にある」との心構えを胸に刻み、診察や回診では、患者への誠実かつ丁寧な対応を忘れない。

 徳島赤十字病院は、100床当たりの退院患者数が全国の病院で2番目に多く、病床稼働率は99%に上る。多くの患者を救う一方で、医師や看護師ら職員の負担は大きい。「これからは患者だけでなく、職員にも優しい病院でなければならない」。残業を減らす職場環境づくりなど、働き方改革も積極的に進めていく方針だ。

 専門は、白血病やリンパ腫などを治療する造血器科。30年ほど前、慢性骨髄性白血病で亡くなった30代女性のことが、今も忘れられないという。有効な薬や治療法を見つけられず、悔し涙を流した。

 その後、医学の進歩に合わせて骨髄バンクが普及した。これにより、女性と同じ症状の患者を、骨髄移植手術で救えるようになった。「患者が元気になって退院し、社会復帰する姿を見ると感慨深い」とほほ笑む。

 趣味は高校生の時に始めたジャズ演奏だ。休日のサックス練習や、バンド公演がストレス解消になっている。徳島市の自宅で妻と2人暮らし。63歳。