一雨ごとに暖かさを増すこの時季を憂鬱(ゆううつ)だと感じる人は少なくない。赤く潤んだ目に大きなマスク。集中もできない。花粉症の季節を迎えた

 窓を閉め切って室内で過ごすというのは、一つの手だろう。でも、仕事場が野外ならどうする。藍住町出身の女子プロゴルファー岡村咲さんがアレルギーと闘っている

 昨春はマスクをして試合に臨んだ。だが十分ではない体調で思うような結果が出ず、今季のツアー出場権を失った。ジュニア時代から日本代表選手に選ばれるなど華々しい活躍をし、高校卒業後すぐにプロに転向。さあこれからという思いがあったはずだ

 悩みは深刻な食物アレルギーだ。高校時代から体調不良に苦しみ、試合中に吐くこともあったという。だがブログでは、原因がはっきり分かったことで「するべきことが明確になった」と前向きだ。戦える体を目指し、食事やトレーニングを工夫する毎日を送っている

 近年、アレルギーに苦しむ児童生徒の数は増加傾向だ。食べれば重篤なショック症状を起こす物質が幾つもある子どももいる。2012年、東京の小学校で給食を食べた女児が亡くなった事故は、同じ悩みを持つ親として深く心に残っている

 食物アレルギーへの社会の理解を高めたい。岡村さんが試練を乗り越えて再び活躍する姿は、その一助になるはずだ。