奇をてらった名というのも、いかがなものですかねえ-。鎌倉末期の歌人吉田兼好は随筆「徒然草」で、このごろの風潮は、と嘆いた
 
 700年前には、700年前のキラキラネームがあったようで。ならば兼好さん、どうしろと? <昔の人は、ただ、ありのままに、やすく付けけるなり>(第百十六段)。ありのままで、分かりやすいのが、お好みのようである
 
 となれば、こちらはどうか。民主、維新両党は、合流後の新党の名称を「民進党」と決めた。使う漢字は簡単で分かりやすいものの、新党の目指す方向を、ありのままに映した名といえるだろうか
 
 「国民と共に進む政党だ。『進』は改革、革新を意味する」と維新の江田憲司前代表は解説する。そう聞いてもしっくりとこない。なぜか、と考えて思い当たった。進むのはいいけれど、さて、この国をどちらへ導こうとしているのか
 
 党名も政治的なメッセージの一つである。そこに集う人々が主体的に決めるのが筋だろう。それが人気投票とは。「決められない政治」の残影を見せられた思いだ
 
 台湾の”元祖“民進党は5月から政権を担う。期待値はいまひとつの世論調査の数字を見る限り、本邦の方は、当面「いと難し」。経済や外交、社会保障…。輝く党名となるかどうか。当然ながら、打ち出す政策にかかっていよう。