無い物ねだりは、はしたないことと子には教えてきたけれど、見れば欲しくなるのが世の常、人の常。整備計画決定から42年余り、きょう北海道新幹線が開業する

 ネットワークから取り残された四国。ならば絶対必要かと問われれば、「あればいいね」と答えもあいまいになる。思えば徳島には電車もない。幾つもの「あればいいね」に引きずられ、国の借金は1千兆円を超す

 取りあえずは函館まで。道民悲願の超特急も、東京まで最短4時間2分。飛行機との競争で目安となる4時間を切れなかった。駅は隣の北斗市。函館空港の方が近い

 経済効果はどれほどか。向こうの地理は不案内で、ちょっと実感できないが、終点金沢へ2時間半の北陸新幹線とは訳が違うだろう。開業1年で「街が劇的に変わった」(山野之義金沢市長)といくかどうか

 興味深いのは、観光客誘致へ、対岸の青森県下北半島でも期待が高まっていることだ。突端の大間町まで、函館から船で1時間半。新幹線・新青森駅からの半分で済む。ひとごとではない過疎地域。奮闘努力を応援したい

 開業に合わせ、JR北海道のローカル線から79本の普通列車が消える。新幹線に力を注ぐあまり、在来線に痛みを押しつけていないか。「開業を心から喜ぶことができない」。廃線を懸念する人たちの、こんな声もある。