師は自然にあり。人は何からでも学べるものだ。山や川、森、顧客、本、漫画・・・

筆者の最近の師は松田奈緒子さん著の漫画「重版出来!」(小学館)。一度出版した書籍を再び、または何度も印刷することを「重版」、その重版が出来上がり、書籍として販売することを「重版出来」という

TBS系でドラマ化され、今週の放送分では、主人公が勤める出版社の社長が質素を旨とする、その理由が明かされた。それはある人からのこんな教えだった。<運はな、いいことすれば貯まり悪いことすればすぐ減る>

だます、偽る、あざむく。それを続ければ信用はなくなる。運だって尽きよう。さて、燃費データの改ざんが発覚した三菱自動車。軽だけだと思っていたら、それ以外の車種でも偽装の疑いが浮上した

土砂降りの渦中にある、その三菱自動車に傘を貸すように、日産自動車が手を差し伸べた。繰り返された不正で、先人がこつこつと貯めてきた運を使い果たした三菱自動車はゼロから運を貯めていかなければならない

人間が間違った方向へ行かないように、運命の神は辻々に立っているという。道を示す人のふりをして。しかし<聞くも聞かぬも人間の選択->(「重版出来!1」)。顧客の憤り、社会の厳しい目。それを絶えず意識し、師としていかなければ運は貯まらない。