十数人に計7億8千万円という。高いものだか、安いものだか一向に見当もつかない「海外コンサルタント費」である
五輪招致に、今や国際スポーツ界を熟知したコンサルタントは欠かせないらしい。「核心的な情報を得るため、果たした役割は極めて大きい」。自身も招致に関わった馳浩文部科学相は言う
国際オリンピック委員会の委員に関する情報収集から票読みまで、頼りになる存在のようだ。とはいうものの、国を挙げての招致活動が、有能なコンサルタントを確保できるかどうかにかかっているとあれば、要は金目でしょ、といったにおいもして、興ざめなところがある
スポーツも巨大ビジネスとなった現代である。コンサルタントなど使わなくても、というのは無理な話なのかもしれない。ただし「有能さ」には種類があろう
ドーピング隠蔽(いんぺい)汚職を巡る仏当局の捜査を機に、不正疑惑の浮上したシンガポールの会社には、海外コンサルタント費の30%に当たる計2億2200万円を支払っている。招致委が契約したのは2013年7月、五輪開催都市決定の直前と聞けば、巨額報酬の行方が気になる
つかみ金というわけでもあるまい。何にどう使われたか、具体的に説明できるはずである。宝飾品や高級腕時計、しまいには票に化けてないか。きちんとした説明が聞きたい。