情報は、公平な社会を実現する上で重要だけど、情報で人は救われない。物語に出合わないと人は救われない。そう述べているのは、相愛大教授の釈徹宗さん。若者の生き方に世相の変化を感じ取ってきた宗教学者である

東京を中心につくられた物差し。その物語をよしとできない人の心に宿るものは何か。それは情念。心に湧く感情や心に起こる思念と広辞苑にある

演歌の世界で息づくこの言葉を教えてくれたのは、ベンチャー企業への投資事業を手掛ける海陽町出身の村口和孝さんと、社会起業家育成に取り組む小松島市出身の宮城治男さん

徳島新聞社などが12日にスタートさせる事業プランコンテスト「とくしま創生アワード」のサポーター14人に名を連ねる。ビジネスの3要素は機会、能力、情熱だが、最近は欲望が要ると村口さん。「情熱なんて知的で生易しいものではなく、五欲に匹敵するような情念」を求める

三好市東祖谷で、住民に代わる「かかし」を作る女性をドイツ人が映像作品化し、世界から注目された。いくらお金をかけても、こんなことは起きないという宮城さんは語る。「やり抜いてきた人生の重みという、まさに純度の高い情念が世界へ通じる時代になった」

人の思いに火がつくような情念を、プランに書き込む。物語に育てる。応募を心待ちにしたい。