同性婚の権利を最高裁で認めさせた原告の男性、シリア内戦を逃れて米国に安住の地を見つけた男性…。今年1月、オバマ大統領が行った最後の一般教書演説で貴賓席に座った招待客だ。「楽観と多様性」こそが、米国の強さだと語ったオバマ氏の思いを人選に見る

 そんな寛容さに、憎悪を抱いたのか。南部フロリダ州のナイトクラブで、男が自動小銃などを乱射し、49人の命を奪い、53人を負傷させた

 昨年12月にも、カリフォルニア州で過激派組織「イスラム国」(IS)に感化された夫婦による銃の乱射が起きた。男もISへの忠誠を誓う発言をしていた。社会への不満、弱者や異質なものへの不寛容、これらはやすやすとISに結び付くのだろうか

 銃規制という課題を解決しきれないままで「オバマ時代」は幕を下ろすのか。約2700人。わずか1年で、それだけの子どもや10代の少年少女が銃弾で命を落とす

 銃規制強化を叫ぶ声が高まるのは当然だ。それでも、合衆国憲法を盾に、銃で自衛する権利が保障されていると叫ぶ人たちがいる。これが自由を高らかにうたう超大国の現実なのだ

 ならば米国の強みである「楽観と多様性」にもう一つ、この言葉を加えてほしい。それは「不二」。差別のないこと。現象的に対立する二つのことが根源的には一体だ、という意味である。