国が強硬手段に出たとの印象が拭えない。

 自治体に寄付すると、返礼品が手に入り、住民税などが控除される「ふるさと納税制度」を巡り、過度な返礼品競争を防ぐ改正地方税法が成立した。

 返礼品を「調達費が寄付額の30%以下の地場産品」に限定し、ルールを順守すると見込んだ自治体だけを制度の対象とする。事実上の「認可制」への移行である。6月以降、対象外となった自治体に寄付しても税制優遇が受けられなくなる。

 寄付の集め方は、自治体の裁量に委ねられてきた。再三の自粛要請に従わない自治体に手を焼いてきたとはいえ、ここまで国が介入して、制度を持続させる意味があるのだろうか。

 さらに国は、大阪府泉佐野市など4市町への3月分の特別交付税の減額を決めた。いずれも寄付者に過度な返礼品を贈り、多額の寄付金を得ていた。総務省は「ペナルティーではない」としているが、直前に交付税の配分ルールを省令で変更し、事前に知らせもせず減額するのは乱暴だ。

 確かに、常識を欠いた自治体があるのは否めない。

 泉佐野市は、返礼品に加えてインターネット通販大手「アマゾン」のギフト券を贈るキャンペーンを実施。2018年度の寄付額は前年度の3・7倍の497億円に上る見込みだ。佐那河内村は、寄付額の50%に当たる旅行券やクオカードを返礼品にし、見直しを求められた。

 こうした自治体にも問題はあるが、その原因をつくったのは国ではないか。

 08年の制度創設当初は国も寄付をあおり、15年に寄付額の上限を拡大したことで人気は急上昇。カタログショッピング化してしまった。

 古里や応援したい自治体を支援するという本来の趣旨から外れ、返礼品によって寄付先を決めているのが実態だ。

 制度設計に欠陥があったと言わざるを得ず、国の責任は免れない。

 総務省は一昨年、返礼品を寄付額の30%までにするよう自治体に通知。さらに地場産品に限定することにし、ネットショッピングで使えるポイント付与の規制にも乗り出した。場当たり的な国の対応に自治体は振り回されてきた。

 牟岐町では昨年9月、総務省から鮮魚の切り身が「地場産品以外」と指摘され、その後の調査で、「地元に根付いた企業が製造している」として返礼品に認められた。自治体から反発や不満が出るのは当然だ。

 法改正によって、返礼品合戦には一定の歯止めをかけられるだろう。しかし、本来の趣旨に沿った寄付が広がるかどうか疑わしい。

 高所得者ほど寄付できる金額が高く、節税に利用されやすいことや、特産品に乏しく制度の恩恵を受けづらい自治体の扱いも課題として残る。

 この際、抜本的な制度の見直しを検討すべきである。