教師だった父は、防衛隊に召集されて死んだ。まだ30代だった。女学生だった姉は、ひめゆり部隊に加わり二度と戻って来なかった。まだ16歳だった。沖縄戦から71年がたつ。それなのに、と思う

 女性暴行殺害事件に抗議する「県民大会」で出会った沖縄市の安里俊子さん(72)が、抑えきれない怒りを語ってくれた。一体、何度繰り返されるのか。沖縄の人間は、いつになったら安心して生活できるのか

 1972年の復帰後、米軍人・軍属が絡んだ犯罪は、凶悪事件だけで575件に上る。大会では、駐留する米海兵隊の撤退や基地の整理・縮小、日米地位協定の抜本的な改定を求める決議をした。日米両政府は、この悲痛な声に、今度こそしっかり応えるべきだ

 恩納村の遺体遺棄現場で手を合わせていた男性(68)。米軍属と結婚した娘がいるという。すべての米兵が悪いわけではないと断りつつ、こう言った。「まるで植民地さ。基地がある限り事件は起きる。県外の人も体験してみればいい。基地のある暮らしを」

 沖縄の声は、過重な基地負担を押し付けながら、その痛みにまるで想像が及ばない「本土」の無関心をも問うている。私たち自身が問われているのである

 大会の壇上に立った若者のこんな叫びを聞いた。「今回の事件の第二の加害者はあなた方です」。返す言葉がない。