立正大心理学部対人・社会心理学科で、学部生や大学院生を指導している。専門は詐欺からテロまで、心理操作による被害の分析だ。

 日本社会を震撼させたオウム真理教事件の裁判では、被告人の心理鑑定に当たった。

 無差別テロを実行した被告人と接して「教祖への崇拝がなければ、誰一人、あんな事件に関わらない。自分で思考するのでなく、カリスマ的で強くて立派だと思う人に、意思決定を委ねてしまう心理。それが一番怖い」と話す。

 オウム事件を機に弁護士や有識者らが設立した日本脱カルト協会の代表理事として、破壊的カルトの被害防止に向けた啓発や講演、脱会者の支援活動を進める。「家庭や受験、友人などの悩みを抱えている人や、社会に受け入れてもらえないという孤独感が強い人がカルトに入りやすい。大事なのは、ちゃんと社会とつながって、心のバランスを取ることだ」と指摘する。

 消費者庁が徳島県庁に開設している消費者行政新未来創造オフィスのプロジェクトにも参画し、2017年9月から18年6月まで、若者の消費者被害の調査、検討チームの座長として分析を行った。

 「だます側はうまい。自分だけは大丈夫だと思わず、自己過信を捨てて、謙虚な対応をすることだ。断る練習も心掛けてほしい」

 徳島県の仲間との結びつきは強い。「徳島の友人とは会員制交流サイト(SNS)でつながっているので、遠く離れていても、いろんな情報やニュースが入る。中学や高校の同級生が上京すると、仲間で集まっている」と言う。

 年に1、2回帰省し、同窓会にも出席している。「徳島は活気がない。SNSを使って、県外に出て活躍している人ともっと連携すればいい。アイデアを持っている人、異業種の人たちが徳島再生について何かできないか考える。そんな仕掛けが必要だ」と力を込めた。 (玉田友昭)

 にしだ・きみあき 那賀町出身。徳島大付属中(現鳴教大付属中)、城南高から関西大社会学部卒。同大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。静岡県立大看護学部准教授を経て11年から現職。著書に「だましの手口 知らないと損する心の法則」(PHP新書)など。静岡県在住、58歳。