少なすぎないか、はたまた多すぎないか。冠婚葬祭で、どれくらいお金を包んでいくか、いつも悩むところだ。その人との付き合いの濃淡もあって、常識的な額の判断は難しい

 これまで国会議員に餞別を贈る機会に恵まれなかったのは幸いだった。行き先が、米アトランタなら20万円だそうである。世間の常識で済ませていたら、非常識をなじられるところだった

 嫌みはこれぐらいにしよう。でも、腹も立つじゃないか。昨年9月、環太平洋連携協定(TPP)の交渉に出発する前日のことだ。当時、自民党のTPP対策委員長だった森山裕農相が、日本養鶏協会の会長から20万円の「餞別」を受け取っていたなんて

 含みの多いお金である。森山農相の釈明を信用すれば、「どうしても」と言われて事務所で受領し、秘書に返却を指示したが、今年2月まで失念していたのだという

 養鶏協会関係者からは、宮腰光寛元農林水産副大臣、西川公也元農相にも現金が渡り、それぞれ返却している。「寄付の趣旨が不明確」「寄付者が不明だったため返した」と説明するが、いったんは受け取ってしまう。この辺りが世間的な常識では、何とも理解し難い部分である

 受け取れない、という金があちらへこちらへ。いずれも法に抵触する問題ではないそうだ。どうにも、ふに落ちない問題である。