自分の価値観で相手を支配しようとする。思い通りにならなければ銃口、刃先を突き付ける。問答無用の暴力がまた起きた。罪なき人の命を奪うことを神は喜び、神はたたえるはずもない

「アラー(神)は偉大なり」。バングラデシュの首都ダッカの飲食店を襲撃した武装グループは、そう叫び発砲した。日本人が巻き込まれ、7人の命が奪われた。家族の胸中を思うと、心が痛む

現地で国際協力に当たっていた人たちである。その善意、支援を踏みにじる蛮行。襲撃犯らは、約20人の人質にイスラム教の聖典コーランを暗唱するよう要求し、暗唱できない人は痛めつけたともいう。敬虔なイスラム教徒が、そうした行為に及ぶだろうか。イスラム教。その教えの誤読、誤解が膨らめば、人は非寛容になり戦闘的になるのだろうか

この非道な事件で過激派組織「イスラム国」(IS)系ニュースサイトが犯行声明を出した。教えを極端に解釈し、その実践のためには暴力も、テロもいとわない人たちだ

異なる宗教、異なる宗派は敵視し、徹底して攻撃するという。そこには、大義などない、英雄と呼べるような人もいない

テロに遭遇した人たちも、目撃した人たちも語り続けるだろう。そして私たちも。世界が今、求めているのは、命を尊重することであり、寛容であり、平和であると。