日本の技術を搭載した無人偵察機がパレスチナを飛ぶ。空を見上げる中東の人々の思いは容易に想像できる。悪くすればこうだ。「われらの敵、日本」。アラブ諸国の反発は必至である

 無人偵察機を巡り、防衛装備庁がイスラエルとの共同研究に乗り出す準備を進めているそうだ。共同通信の取材では、既に両国の防衛・軍需産業に参加を打診しているという

 最終的に国家安全保障会議が判断するが、イスラエルとの関係強化を図る安倍政権下、共同研究に踏み切る可能性が高い、との観測だ。当の防衛装備庁は「そういう事実はない」と否定している。本当にそうあってもらいたい、とひたすら願う

 防衛省は米軍が運用する無人偵察機グローバルホークの導入を決めている。イスラエルの無人機の技術は高く、米国製と同程度の性能で価格は数分の1から10分の1程度。となれば、という気になって不思議はないが、国の総合的な安全保障に資するとは思えない

 戦後日本の平和主義を支えてきた旧武器輸出三原則では、イスラエルは禁輸対象国だった。2年前に閣議決定された新三原則で、初めて装備・技術移転が可能になった

 「死の商人」なる言葉もちらつく。仮に「事実はない」ことが事実であったとしても、私たちが今どこにいるか、改めて目を開かせてくれるニュースである。