ポルトガルの航海者バスコ・ダ・ガマが、アフリカ大陸南端の喜望峰を回ってインドに到達したのが1498年だから、そのまだ100年近く前。大航海時代前夜の話である。中国・明代、宦官で武将の鄭和が、皇帝の命を受け、南海遠征に出発した

総勢2万数千隻。多少の誇張があったとしても、壮大な船団だったに違いない。遠征は30年間に都合7回。東南アジアからインド、アラビア半島、分隊はアフリカ東岸にまで及んだ。ちなみにこの人、イスラム教徒である

これはない。中国が権益を主張する「九段線」の地図を見ていて思う。線は大陸のはるか南方、東南アジア諸国の沿岸をなめ、南シナ海全域を囲っている

誇らしい歴史があることは否定しない。ただし、現代には現代の国際的なルールがある。九段線も、最初に線引きしたのは中華民国、蒋介石のころ。「歴史的権利」というには、まるで日が浅い

国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所は、中国の主張を完全に否定した。これに激しく反発し、条約からの脱退もちらつかせ、南シナ海での実効支配を強める構えだ

こぶしを振り回していれば利益になる。13億超もいれば「もはやそんな時代ではない」と気づいている人も少なくはなかろう。世界2位の経済大国なのである。そろそろ、時代に合った振る舞いができないか。