「選良」という言葉を久しく聞かない。辞書には「選び出されたすぐれた人」とある。昨今の甚だしい政治家の劣化から、もはや死語になってしまったのか

 振り返れば、数年前に「魔の2回生」と呼ばれる自民党衆院議員が暴言、金銭トラブル、女性問題など、数々の不祥事を引き起こした。第2次安倍政権以降の政務三役で、不適切発言によって辞任したのは、先日の桜田義孝五輪相、塚田一郎国土交通副大臣を含めて5人を数える

 安倍首相はなぜ、こうも不見識な人を起用したのか。閣僚として資質を疑われるような言動を繰り返したにもかかわらず、桜田氏を更迭せずにかばい続けた。その責任を厳しく追及されるのは当然だ

 だが、政治家の体たらくを嘆いてばかりはいられない。こうした人たちを国会に送り込んだのは、ほかならぬ有権者である。選んだ側の責任も問われよう

 議会制民主主義の祖、英国には「この国民にしてこの政府あり」との格言が残る。その言に照らすと、私たちもこのレベルなのかとがっかりする

 統一地方選の後半戦は徳島、小松島両市議選に加え、きのう4町長選と5町村議選が告示され、無投票の那賀町長選を除いて選挙戦に入った。投票まであと4日。選良にふさわしい人を見いだすには浅慮は禁物だ。一文字足せば選良が現れるわけではない。