開会式。これが単色だったら、と想像してみた。光と影の奥深い表現もあり得るが、祭りの初日、やはり楽しくなければ

 色彩豊かにリオデジャネイロ五輪が開幕した。205カ国・地域の1万1千人を超す選手が集う。今回初めて難民の代表も加わった。大観衆に演者、スタッフ。競技場は一隻の船のよう。さまざまな人、色の渦。違っているからこそ世界は美しい

 先住民迫害、植民地、黒人奴隷。ブラジルの歴史の始まりは、必ずしも幸福ではなかった。日本からの移民をはじめ、多くの民族が混ざり合ってできた国。会場に流れたボサノバの名曲「イパネマの娘」も、ジャズとサンバが出合って生まれたメロディーだ

 発信したのは環境保護、多様な価値観の共生の大切さ、「未来への希望のメッセージ」。場外での五輪反対デモも含めて、ブラジルならではの開会式となった

 課題の多い大会である。ドーピング問題で、ロシアの出場選手はまだ確定していない。この問題が仮に克服できたとしても、スポーツを愛国心高揚の手軽な道具と見る権力者は多い。国別対抗の枠組みも一因となって、今後も何らかの「不正」が起きる懸念がある

 東京を思う。違いをたたえるより、日本ではむしろ同調圧力が強まっている。4年後の五輪開会式に、どんなメッセージが織り込めるだろうか。