鳴門の渦は日本一だけど、何かそれだけで終わっているような気がする。「この渦をトライアングルで見せられないか」。元アスティとくしま館長で観光コンサルタントの岩井敏久さんの言を思い出す

 鳥の目、虫の目、魚の目になって見ると、渦の印象も変わるだろう。ライトアップすれば、夜の渦だって観賞できる。立体的に眺めて初めて鳴門の渦を「制覇」したことになる、が持論である

 その渦の迫力を真上から見られる鳴門市鳴門町の観光遊歩道「渦の道」の入館者数が、きのう1千万人を突破した。オープン以来、16年4カ月での到達である。鳴門といえば渦潮、渦潮といえば鳴門だが、鳴門高の勢いも止まらない

 甲子園での活躍である。長野の佐久長聖、奈良の智弁学園、岩手の盛岡大付を破り、ベスト8進出を果たした。「甲子園は選手を育てる」といわれるが、その通りだろう

 創部100年を超えて、オールドファンも多いが、この夏の戦いぶりで、新たにファンになった人も多かろう

 かつて渦潮打線で全国にその名を響かせた。<渦巻く黒潮/天地に轟(とどろ)き/岩をも砕く/不断の力…輝くや我(われ)らが/鳴門の健児>。森脇稔監督は母校・鳴高の校歌の一節が好きだという。渦巻く黒潮に人は魅了される。春の王者を倒し、さらにきのうの激戦を制した健児に人は鼓舞される。