晴れや雨といった特定の天気が高い確率で現れる日を特異日という。自殺にも「特異日」があるようで、誕生日に自殺する人は、他の日に比べて顕著に多いらしい。大阪大の研究チームが、過去40年間の人口動態調査のデータを分析して明らかにした

 誕生日を期待通りに過ごせず、孤独感などから心的ストレスが増大し、自殺につながるとする「誕生日ブルー」仮説が欧米にはある。日本も例外ではなく、「自殺の恐れがある人の誕生日が近づいたら、周囲がいっそう注意、サポートする必要がある」と研究者は訴える

 日本の18歳以下の子どもには、別の特異日があるようだ。内閣府が、過去42年間に自殺した子ども1万8048人を日ごとに集計し直すと、9月1日が131人と突出していた。次いで4月11日、4月8日、9月2日、8月31日。いずれも90人台だった

 並べてみれば、すぐに気づかれたとは思うが、いずれも新学期前後である。長期休暇明けの憂鬱(ゆううつ)は、誰しも身に覚えがあろう。「新学期ブルー」とでもいえる状況が、子どもたちには確かにあるようだ

 予兆を見せず自殺する子もいるといい、保護者にとっては、気に掛け過ぎて過ぎることのないこれからの数日である

 命と学校をはかりに掛ければ間違いなく命が重い。死ぬほどつらいなら、休んでいいよ、子どもたち。