1年のうちの何げない一日にすぎないのに、この一日は特別な日である。9・1。1923年の関東大震災から93年となったきのう、震災と東京大空襲の犠牲者を追悼する大法要が都内で営まれた

 思えば、この国にとって特別な日が増えている。1・17、3・11、4・14…と、地震、津波、台風などによる災害で「忘れられない日」が多くなっているからである。こうした日は、記録や記憶を呼び覚まし、災害をわが事に、防災をわが事に考えてと訴える

 特別な日が何を問い、この日から何を学ぶべきか。後の世代に、何を伝えていったらいいのか。作家ら9人による「特別授業3・11 君たちはどう生きるか」(河出書房新社)が参考になる

 「保健」を担当した精神科医の斎藤環さんは、亡くなった人のことを忘れず、遺族を孤立させないためにも「喪の仕事」は意味があり、大切だと書いた

 君たちにできることとして、斎藤さんは自ら「人(ひと)薬(ぐすり)」と呼んでいる薬を紹介。<信頼できる人間関係っていうのは、時として何よりも効果的な「薬」にもなるんだ>と記している。「忘れない」こともできるし、「ともにある」と言うこともできるとも

 これまで何げなく通り過ぎてきた日が突然、特別な日になる時代を共に生きている。災害列島、備えや心構えに新たな息を吹き込む時である。