学校が始まって、子どもの歓声が聞こえなくなったのは少し寂しい。でも、この落ち着いた感じも、それはそれでいいもの。並ぶ資料が語り掛けてきそうな静けさ、そんなひととき

 徳島県立博物館で「トクシマ恐竜展」(19日まで)をのぞいた。じっくりと見るなら、今こそチャンスだ。全身骨格を仰ぎ見て感心し、見落としてしまいそうな地味な展示物の前で足を止める

 誤解から命名されたオビラプトル、「卵泥棒」という名の気の毒な恐竜がいる。巻き貝の巻きがほどけて、蛇腹ホースのようになったアンモナイトの化石がある。二枚貝プテロトリゴニアは日本地質学会が選定した「徳島県の化石」

 会場に入ってすぐのエクサエレトドンの姿には、くすっとなった。イグアナの全身に毛を生やし、ライオンの顔をつけたといえばいいだろうか。ほ乳類はここから進化したといい、たどりたどれば先祖の一人である

 徳島県には、恐竜の生きた中生代の地層が広く分布している。特に勝浦川流域では化石の産出が多く、1994年には、四国で初めてとなる恐竜化石が勝浦町で見つかった

 阿南市の会社員田上浩久さんと長男で中学2年の竜煕さんが国内最古級、草食恐竜ティタノサウルス形類の歯を発見したのも、この町だ。1億3千万年前の昔から届いたばかりの化石もお見逃しなく。